2011/12/10

”モンスター”23号 今月の暴言

今月の暴言⑪


暴言である。どうしようもない。権力関係を女性に対する支配にたとえて自らを誇示するのは植民地主義の常套句であるが、それは日本国家の沖縄に対する占領者意識を、実にあっけらかんと語ってしまった。暴言が語り出した沖縄差別は、女性への暴力と重ね合わせられ、その双方が、まるごと肯定されている。暴言中の暴言だ。けれども、批判されているのはもっぱらその言葉の「不適切」さばかりである。沖縄防衛局長の暴言に続く防衛相の暴言について、民主党の前原政調会長は「勉強不足」を叱りつつこう言った。「過去の経緯ぐらいは勉強してもらわないと、安全保障、米軍との関係もうまくできない」。これが「不適切」でない暴言の手本というものか。これらの暴言は暴力的な行為と一体である。8か月ぶりに強行再開された工事が続く高江には、連日防衛局員が押しかけてきている。              (北)