2012/03/20

モンスター26号[主張]


右翼と警察の密通を許さない!

2月11日の反「紀元節」行動は、反天連も呼びかけ団体となっている実行委員会の主催で、今年も集会・デモを貫徹した。11日という日付は、3・11を経験して以降、福島原発事故の節目の日ともなっていて、今年の2・11は各地で反原発行動がとり組まれた。私たちの行動はその日と完全に重なるため参加者が少ないのでは、と心配していたが、例年よりも少ないものの80人以上の参加者で集会・デモを行うことができた(「集会の真相」参照)。反天連メンバーもこの日は、午前中代々木公園で行われた「再稼働NO、テントを守ろう」2.11前段集会に参加。午後からの「2・11さようなら原発1000万人アクション全国一斉行動 in 東京」の前段集会という位置づけだったが、私が着いたころには、大勢の人が集まっていた。私たちは反「紀元節」行動の準備のため、途中で抜けたが、午後の代々木公園は、1万2000人が集まった。

3・11原発事故は、原発・放射能汚染そのものの恐ろしさを改めて思い知らされたとともに、格差社会が作りだす多くの社会問題と原発が通底していることを浮き上がらせた。そして、天皇制の前提となる「身分」制度=差別構造が、下層労働者・命を削る仕事を引き受けざるを得ない人々を作りだし、そのことを前提に「富」を作りだす産業・経済システムを容認するこの社会のありようを、反天皇制の視点で広く社会問題化する必要を、私たちは改めて認識することとなった。

「紀元節」とはいわば、この「身分」制度を支える万世一系思想を容認させるための装置としてある。神話に基づく「紀元節」=「建国記念の日」は、天皇制にとってはもっとも重要なイベントなのだ。政府式典がなくなったことに読み取られるように、国家の側がその神話性と合理的な政治システムとしての天皇制の整合性に苦労しているのは事実としても、だ。今年は3・11以降初めての反「紀元節」であったが、集会の主要な課題は、あらためて差別構造の元凶としてある天皇制批判の色が濃いものとなったといえる。

当日は、毎度のことだが右翼の妨害と警察の不当なデモへの介入があった。今回も実行委と警察以外は知りようもないデモコースは、つねに右翼に先取り的に占拠されていた。今回もデモ申請したその夜には、私たちの行動に対するカウンター行動を呼びかける右翼のブログに、デモ申請の内容を把握しているとしか思えない、正確な集合時間と彼らの集合場所が明記されていた。ブログにある「反天連は16時頃出発予定です」とは何を根拠に書いているのか。警察が情報を流し、右翼側と打ち合わせをし、デモコースの両側に右翼街宣車を数十台も停めさせ、私たちのデモに暴力的な妨害をしかける場所を与えている、と私たちがそのように考えるのはあたりまえではないのか。

実行委は3月2日、デモ申請を行った警視庁戸塚警察署に公開質問状を提出し申し入れした。申し入れは戸塚署だけだが、宛名は警視庁警備部長・同戸塚署長・同新宿署長の三者で、後日送付した。この行動については2・11行動とともに実行委の報告(ニュースレター)で報告する予定だ。警察の今後の対応を含め、ぜひ注目してほしい。 

白昼堂々行われる右翼の無法で暴力的な妨害、それを取り締まるという口実で出てくる警察が、実際はそのお膳立てをしているという茶番のような構造。この排外主義・暴力的な言論と行動を繰りかえす右翼と、それを構造的に守りつづける警察、その警察が守る天皇制社会。反天皇制の運動はこれらとの対峙を避けてはできないのだということを、改めて認識させられるのだ。こういった問題をも反天皇制の運動を通して明らかにしていきたい。

橋下率いる大阪維新の会の躍進や、最近の河村たかし名古屋市長の「南京事件はなかった」発言など、この国の社会全体の右傾化が一段と進む中で自民党は「天皇の元首化、自衛軍保持、国旗国歌の尊重規定」を盛り込んだ「憲法改正原案」を今国会に提出するという。成立の見通しはないとのことだが、今の橋下ブームに乗り、今なら、「ひょっとして受け入れられるかも」的なことなのか、とりあえずぶちあげておいて、最終的にはその改憲案の中から少しでもとり入れられればという思惑なのだろう。この改憲案、そして女性宮家問題、3・11国家による東日本大震災追悼式への天皇の出席などの動向をしっかりと見極め反天皇制の声をあげていきたい。

反天連も参加している反天実行委は4月29日の反「昭和の日」行動の準備を進めている。前日の28日には、反安保実行委と共催で「60年目の『沖縄デー』に植民地支配と日米安保を問う」集会をもつことになった。ヒロヒト賛美の歴史偽造の「祝日」を許さない4・28─29連続行動へ結集を! また、反天連は他団体と共同して、3・18「だからこそ、反戦を!」集会とデモを呼びかけている。3・11の国会包囲行動もある(インフォメーション、チラシ参照)。鈴なりの行動であるが、多くの方の参加を呼びかけたい。  
                                                 (上平学)