2013/09/26

[報告]「安倍改憲と8・15」7・28討論集会  ―  ゴメンだ!安倍政権 歴史認識を問う 8・15反「靖国」行動 報告集 



[報告]「安倍改憲と8・15」7・28討論集会    ―ゴメンだ!安倍政権 歴史認識を問う 8・15反「靖国」行動 報告集  http://13815a.blogspot.jp/


 ゴメンだ!安倍政権 歴史認識を問う 8・15反「靖国」行動主催で標記集会を日本キリスト教会館で行なった。
 集会は、主催者から8・15当日は討論時間が取れないので今日の集会を企画した。それぞれの運動・立場から安倍改憲との闘いについて議論したいとのあいさつではじまった。
 山口素明さん(フリーター全般労組)は「改憲と生存権、格差問題」について自民党改憲案は生存権保障を後景化させ、家族を社会の基礎的単位として強化し、家族に対しての国家の管理をつよめるものである。日本の生活保護の捕捉率は二〇%程度と低く、最低基準に合わせると称して生活扶助費の削減が行われている。一旦廃案になったが、改憲の具体化として行われる生活保護の改悪案など具体的な攻撃を押し返すことも重要だと訴えた。
 園良太さん(堅川弾圧当該)は「自民党改憲案と弾圧・街頭行動の自由」と題して、自民党改憲案が思想・良心の自由、表現の自由より「公益」を優先し、行政を聖域化するものである。現在園さんにかけられている「2・9堅川弾圧」は改憲の先取り攻撃である。行政は団交を一方的に中止し、野宿者を暴力的に排除し、役所に抗議に行っても担当者は出て来ず、対応した人は無責任な発言を行うだけだった。行政の不当な対応への抗議に警備強化と弾圧で黙らせ、行政の行為を聖域化、絶対化する攻撃である。権力の不当な弾圧を許さず、弾圧に委縮せず、街頭行動の自由を闘いとることは安倍改憲を阻止することと一体である。闘い続けようと訴えた。
 桜井大子(女性と天皇制研究会、実行委)は「歴史認識、差別・排外主義、憲法」について、とりわけこの間の「従軍慰安婦」問題について、日本社会が解決しなくてはならない歴史的課題という認識が、国連関係からの発言をのぞき、おそろしく希薄である。その一因にマスコミの歴史認識問題への無理解がある。「歴史認識」を社会的認識にしていくための、「従軍慰安婦問題」の抹殺と「靖国」思想が同根であることなど明快な説明が必要であるなどの問題提起を行った。
 竹内康人さん(人権平和・浜松)は「戦争・軍拡と反戦・反基地の民衆史」について話された。天皇代替わりの時、この国の民主主義、天皇の戦争責任って何だろうと思った。3・11も同様に考えさせられた。軍事基地はどのように形成され、使われてきたのか。首都圏の反戦・反基地運動の歴史をレジュメで報告した。近代の軍拡の歴史をどう見るか?権力は密約などウソだらけの情報を流し、軍拡を行ってきた。在日米軍基地は横田や横須賀に集約しながら、沖縄の基地を強化してきた。生命、平和、歴史的責任を据えた反核・平和運動が必要と訴えた。
 天野恵一(実行委)は「靖国問題、政教分離、慰霊・追悼問題など」について問題提起を行った。自民党改憲案と大日本帝国憲法と現憲法の比較、「靖国問題と憲法二〇条」と天皇条項について報告した。自民党改憲案は、二〇条の「信教の自由」の3に「社会的儀礼又は習俗的行為の範囲を超えないものについては、この限りではない」を加え、靖国神社への首相・閣僚の参拝を合憲化する─「政教分離」原則の破壊である。さらに天皇条項は、天皇を元首とする天皇制の再定義を行っている。天皇を「象徴」のまま強化する第三の天皇制である。自民党改憲案は戦後の擬似立憲国家の擬似を外す攻撃であると訴えた。
 その後討論で「差別禁止法」についてさまざまな意見が出され、「8・15」の黙祷粉砕行動において、靖国神社で「追悼」する家族をどう考えるか、自民党の改憲草案を見たとき「日の丸」「君が代」を習俗的行事とするものである、さらに学校現場で「君が代不起立」を闘う教育労働者から改憲は闘うことすら出来なくなるのではないか、などの議論が行われ、安倍自民党改憲政権との対決の重要性を確信する集会であった。
(労活評・野村洋子)