2015/02/24

2・11反「紀元節」行動での弾圧を許さない! 警視庁・原宿署に抗議します

 2015年2月14日

「敗戦70年と象徴天皇制の70年を撃つ」 2.11反「紀元節」行動

 私たち「敗戦70年と象徴天皇制の70年を撃つ 2・11反『紀元節』行動」の集会とデモは、130名以上の参加を得て、天皇制と日本国家のあり方を批判する行動を行なうことができました。
 しかし今回の行動では、警察の極めて大規模な警備弾圧が実施され、デモが出発して間もなく、1名の参加者(以下Aさん)が不当逮捕されたのです。逮捕直後から弁護士が接見を試み、デモの終了後、逮捕を実施した原宿署に対する抗議行動を行ない、救援体制もつくり、差し入れも始めました。そして翌日の12日夕方、完全黙秘のまま、被弾圧当該を元気に取り戻すことができました。

 逮捕当日の夜、産経新聞は警察情報垂れ流しの記事を流しました。そこには「逮捕容疑は11日午後4時25分ごろ、東京都渋谷区神宮前の路上で、警戒にあたっていた50代の男性警部補の胸を肘で殴打するなどの暴行を加えたとしている。警部補にけがはなかった」などとあります。
 これは全く逆転した報道です。Aさんが暴行を加えた事実はありません。逆に、この警部補が一方的に暴行を加えた挙句に、Aさんを逮捕したのです。事実は以下の通りです。

 私たちのデモに対しては、日常的に警察のビデオ撮影が実施されています。さらに、機動隊による縦列規制もかけられ、それらによるデモの監視・規制は今回も厳しいものでした。実行委はデモ申請のたびに、思想・信条の自由、表現の自由という権利を、街頭で安全に行使していくために、またそのことを前提に集まってくる参加者の安全を守るために、警察に対して申し入れを行なっています。その一つに、警察による参加者への撮影による肖像権の侵害と威嚇に対する抗議もあります。
 それにもかかわらず、この日の警備においては、赤いチョッキを着た警察官が、ビデオ撮影する警察官とコンビで動きながら撮影を実施していました。彼らは、車道を進んでいるデモの隊列の中にまで割り入って、参加者を押しやりながら堂々と撮影を続けたのです。
 これに対して、Aさんとその周りにいたデモ参加者は、傍若無人の警察官に抗議しながらデモを歩いていました。
 Aさんたちの強い抗議で、ビデオ撮影をしていた警察官は、いったん歩道に上がりました。しかしもう一人の警官(警部補)は、そのままデモの隊列を歩き続けていました。「警察はデモに入ってくるな」という当然の抗議に逆ギレした警部補は、Aさんが手にしていたハンドスピーカーを手ではたき、その拍子に態勢を崩したAさんを転倒させました。その時、多くの公安警察が一斉にデモの隊列に乱入しました。「公務執行妨害」「あの女をとれ!」と指示がとび、Aさんは警官に囲まれて連行され、そのまま逮捕されてしまいました。それまでデモは何の混乱もなく、まったく突然のできごとでした。

   今回の逮捕は、この警部補のAさんに対する暴行を正当化するために、逆にありもしないAさんによる暴行をでっち上げようとしたとしか思えないものでした。警部補は大柄で屈強であり、Aさんは痩せ型の女性です。Aさんが一方的に暴行を加えられた様子は、多くの目撃者がいます。したがって警察の側も、今回の弾圧には強弁しうる正当性のかけらさえないことを、十分自覚せざるをえなかったのではないでしょうか。逮捕翌日の12日夕方には、Aさんを釈放せざるをえませんでした。
 釈放は勝ち取りましたが、Aさんは「被疑者在宅による任意捜査」に切り替えられた状態です。事後弾圧や、出頭攻撃など予断を許さない部分もありますが、今回の弾圧にたいしては、確かな反撃をかちとることができています。

 今回の反「紀元節」行動に対しては、事前に右翼団体から、私たちのデモに対する襲撃予告とも思われる文書が送りつけられ、警視庁は、会場周辺を含めた大規模な警備体制を実施していました。決して私たちの本意ではありませんが、反天皇制運動のデモは、ここ数年、今回同様に右翼団体からの暴力的な攻撃や挑発、「右翼対策」を口実とした警察のデモ隊に対する過剰な規制をともなう警備態勢、ひたすら混乱を作り出す公安警察の動きなどが絡まりあって、錯綜しながら、きわめて異様かつ抑圧的な状態の中に置かれている現実があります。また、天皇制に批判的な人々に対して、公安警察による尾行やつきまといなどの人権侵害もおきています。天皇制批判という表現の自由がおかされること、警察による具体的な人権侵害にたいして、ひとつひとつ抗議の声を上げていかなくてはならないと考えます。
 敗戦70年の今年は、さまざまな行動が多くの人びとにより準備されています。その中で、今回のような弾圧は、誰に対しても実施されうるものであり、事実至るところで現実化していることです。
 すべてのみなさんに、今後も、熱く堅いつながりをともにつくりあげていくことを呼びかけます。